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日本呼吸器学会誌 論文投稿者へのメッセージ

日本呼吸器学会和文誌編集委員長
西村 正治

 医学論文とは,それが英文であれ和文であれ,また,原著論文であれ症例報告であれ,医師をはじめとする医療に携わるすべての人々の共有の財産となるものです.日本呼吸器学会誌は日本呼吸器学会が発行する唯一の和文学術誌であり,呼吸器病学の発展や呼吸器診療に貢献することが強く期待されています.そのような観点から,本誌編集委員長の立場で論文投稿者へのメッセージをお伝えします.
 学術論文でもっとも重要なことは,その論文を通じて何を伝えたいかという論旨が明解かつ正確であることです.原著論文であれば,結論の新奇性や有用性がその論文の価値を決めますが,同時にその結論は研究で得られたデータに基づいていることが肝要です.原著論文は,研究内容自体が素晴らしくても,タイトルの付け方,抄録の書き方,文章構成,的確な医学用語や表現,適切な文献引用等々に難点があるとその価値は著しく低下します.
 症例報告論文の場合でも,もっとも大切なことはその症例から得られた新知見です.ひとつの症例から何を学び,なぜそれを後世に伝えるべきかがわかるものでなければなりません.しばしば,稀な症例を経験したということが唯一の趣旨であるかのような論文に出会います.また,多くの不必要な臨床経過・検査データを提示している論文にも出会います.症例報告論文は症例検討会のために情報提供するものではありません.考案すべきことは疾患の一般的な解説や総説ではありません.その症例で得られた新知見を説明すること,あるいは,その症例で得られた臨床的・医学的意義を読者に正しく伝えることです.
 投稿にあたっては,投稿規定を熟読し,それにきちんと従って論文を纏めましょう.学術論文とは医療・医学への貢献のために世の人々あるいは後世の人々に読んでもらうためにあるのです.正しい日本語表現,わかりやすい図表,適切な文献引用は良い論文の第一歩です.日本呼吸器学会誌は本学会が誇る最高の和文学術誌であり続けます.

2014年8月