タイトル
第38巻第6号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

再発時に高値を示したCA19-9産生細気管支肺胞上皮癌の1例

梅森 君樹, 牧原 重喜, 福原 哲治, 中島 一毅, 前田 忠士, 青江 啓介
国立山陽病院呼吸器センター外科, 同 内科

72歳男性が胸部X線写真にて肺炎様浸潤影を指摘され来院.1992年1月当科にて右下葉全体に浸潤した細気管支肺胞上皮癌の診断のもと右下葉切除術を施行した.T2N0M0,P0D0E0PM0,stage IB.術前後で血清CA19-9は正常範囲であった.術後は順調に経過したが,1997年7月右上中葉に腫瘤陰影出現し,精査の結果再発と診断し,8月26日右残存肺切除術をおこなった.術後血清CA19-9が次第に上昇し,1998年1月には17104 U/mlとなった.癌性心膜炎,心タンポナーデとなり心嚢ドレナージ術を施行した.心嚢液中のCA19-9も24848 U/mlと高値を示した.1998年2月11日に呼吸不全のため死亡.また初回,再発時の両組織とも免疫学的染色にてCA19-9の産生が証明された.
索引用語:Bronchiolo-alveolar carcinoma, CA19-9 producing lung cancer, Recurrence

受付日:1998年8月3日
受理日:1998年9月16日

肺癌 38 (6):751─756,1998

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