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第40巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
肺癌の骨転移診断における尿中Type I Collagen N-Terminal Telopeptide(NTx)の有用性
中村 博幸, 橋本 俊夫*, 柳生 久永, 更級 元, 土田 文宏, 足立 秀喜, 岸 厚次, 大石 修司, 松岡 健, 柏原 光介**東京医科大学内科学第5講座, *水戸済生会総合病院呼吸器内科, **球磨郡公立多良木病院呼吸器科
肺癌骨転移の診断には骨シンチグラムが一般的に用いられている.しかし偽陽性,経費,限られた施設でしか実施できないという点,さらにフレア現象および治療に対する骨転移巣の反応性の評価が困難であるなどの問題がある.近年,新しい骨代謝マーカーの開発が著しい.今回I型コラーゲンの代謝産物であるNTxの肺癌骨転移に対する有用性を検討した.NTxは骨転移のある肺癌症例で112.7±83.9 nM BCE/mM Crであり骨転移のない肺癌症例に比較して有意に高値であった(p<0.001).経過の追えた症例では骨転移の進行に伴い有意に上昇した(p=0.008).また経過中に初めて骨転移が出現した症例ではNTxは骨転移出現時に初診時と比較して有意に高値であった(p=0.028).NTxは骨転移の補助診断に有用であり,骨転移に対しある程度定量性をもたせることも可能である.また骨転移の進行を評価する補助因子になると考えられる.
索引用語:Lung cancer, Bone metastasis, Type I collagen C-terminal telopeptide (ICTP), Type I collagen N-terminal telopeptide (NTx)
受付日:1999年12月20日
受理日:2000年3月8日
肺癌 40 (3):179─184,2000