第44巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
小細胞肺癌に対する放射線療法
西村 恭昌11近畿大学医学部放射線科
近年,小細胞肺癌の治療における放射線療法の意義は明確になってきた.ここでは,2003年に公表されたevidence-based medicine(EBM)の手法による肺癌診療ガイドラインおよび2004年にインターネット公開された放射線治療計画ガイドライン・2004などのガイドラインにそって,小細胞肺癌に対する放射線療法の標準的治療法について簡単にまとめる.全身状態の良好な限局型小細胞肺癌では,化学療法と胸部照射を早期に同時併用することによって有意な生存率の向上が示されている.また,予防的全脳照射は,脳転移率を下げるのみならず全生存率を向上させることが2つのメタアナリシスで示され,初期治療で腫瘍の完全消失(CR)あるいはそれに近い状態(good PR)となった症例には予防的全脳照射が標準治療として推奨されている.
索引用語:小細胞肺癌, 放射線療法, 予防的全脳照射, 加速過分割照射
肺癌 44 (2):71─75,2004