第45巻第3号目次 | Japanese/English |
Full Text of PDF (354K) Article in Japanese |
─ 症例 ─
予後の異なる肺lymphomatoid granulomatosisの2例
中桐 伴行1, 明石 章則1, 重村 周文1, 松田 良信2, 延山 誠一2宝塚市立病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科
背景.Lymphomatoid granulomatosisは本邦報告例が11例と極めて稀な疾患である.我々は予後の異なる肺lymphomatoid granulomatosisの2例を経験したので報告する.症例.症例1は68歳の女性.検診にて肺門部の異常陰影を指摘され受診.気管支鏡にても診断が付かず,胸腔鏡下生検を施行.迅速病理にて肺癌が疑われ,中葉切除,リンパ節郭清を施行した.永久標本にてGrade IIIの肺lymphomatoid granulomatosisと診断された.症例2は71歳の女性.検診にて胸部異常陰影を指摘された.気管支鏡にても診断が付かず,胸腔鏡下生検を施行.術中迅速病理にてlymphomatoid granulomatosisと診断された.永久標本にてGrade Iの肺lymphomatoid granulomatosisと診断された.結論.症例1は化学療法を施行した.しかし寛解得られず術後10ヶ月にて死亡した.症例2は,術後1年目現在も無再発生存中である.我々が経験した2例と本邦報告例の集計を加えて報告する.
索引用語:Lymphomatoid granulomatosis, Grade
受付日:2004年11月15日
受理日:2005年3月30日
肺癌 45 (3):249─254,2005