タイトル
第50巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

進行非小細胞肺癌に対するCarboplatin+weekly Paclitaxel併用療法の後ろ向き検討

山崎 正弘1, 大橋 信之1,2, 梶原 俊毅1, 新田 朋子1, 三戸 晶子1, 粟屋 浩一1, 池上 靖彦1, 有田 健一1
1広島赤十字・原爆病院呼吸器科, 2大橋内科医院

目的.進行非小細胞肺癌に対するcarboplatin(CBDCA)+weekly paclitaxel(PTX)併用療法の有効性と安全性を検討した.方法.当科で同療法が施行された切除不能進行非小細胞肺癌191例を対象に後ろ向きに検討した.投与スケジュールは,CBDCAをAUC 5~6でday 1に,PTXを60~100 mg/m2でday 1,8,15に投与し,4週毎に繰り返した.結果.投与コース数は1~6コース(中央値3コース)であり,奏効率は50%であった.無増悪期間は160日,中間生存期間は379日であった.有害事象はGrade 3/4の好中球減少を77例(41%)に認め,ほか過敏症2例(1%),肺臓炎3例(2%),発熱性好中球減少3例(2%)を認めた.さらに同療法の身体条件による差異を評価するため,臨床試験の対象者として登録しうる身体条件良好例129例と登録しえない身体条件不良例62例とで比較した.中間生存期間は良好例486日,不良例271日で,有害事象は両群で概ね同等であったが,Grade 2以上の倦怠感は不良例でより高率であった.結論.本療法は有効性,安全性ともに高く,特に身体条件良好例での治療成績は良好であった.一方身体条件不良例にも比較的安全に施行可能であった.
索引用語:weeklyパクリタキセル, カルボプラチン, 化学療法, 進行非小細胞肺癌

受付日:2009年5月11日
受理日:2009年8月12日

肺癌 50 (1):1─6,2010

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