第63巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
Lambert-Eaton筋無力症候群の増悪なくatezolizumabで治療が可能であった小細胞肺癌の1例
比嘉 花絵1, 宮田 剛彰1, 吉松 隆21新久喜総合病院呼吸器外科, 2福岡和白病院呼吸器外科
背景.肺癌の治療において,免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitor:ICI)によるがん免疫療法は,自己免疫疾患の既往がある場合は,ICIによる免疫関連有害事象(immune-related adverse event:irAE)の発現または増悪する恐れがあるとされている.症例.72歳,男性.発熱,背部痛を主訴に救急搬送され,精査から,Lambert-Eaton筋無力症候群(Lambert-Eaton myasthenic syndrome:LEMS)を合併した進展型小細胞肺癌と閉塞性肺炎の診断となった.Carboplatin+etoposide+atezolizumab療法後,atezolizumab単剤での維持療法を継続中である.結論.ICI治療によるirAEとしてLEMSを発症する報告も複数あるが,LEMS合併の小細胞肺癌においてatezolizumabを投与し,LEMS,小細胞肺癌ともに良好な経過を得ている症例を経験したため報告する.
索引用語:小細胞肺癌(SCLC), Lambert-Eaton筋無力症候群(LEMS), 免疫チェックポイント阻害剤(ICI), アテゾリズマブ
受付日:2023年4月21日
受理日:2023年6月15日
肺癌 63 (6):882─886,2023