タイトル
第64巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 総説 ─

免疫チェックポイント阻害薬治療の展開~肺癌以外の領域~

北野 滋久1, 宮本 一平1, 黒川 加奈1, 宮脇 英里子1, 水柿 秀紀1
1がん研究会有明病院先端医療開発科/がん免疫治療開発部

2014年に我が国で免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitor;ICI)が承認されてから10年の歳月が経過した.ICIはT細胞上の共抑制受容体である免疫チェックポイント分子を抗体でブロックすることで,がん抗原特異的なT細胞を活性化し癌を攻撃する治療薬である.国際的には,2011年3月に進行期の悪性黒色腫に対して抗CTLA-4抗体イピリムマブが米国FDAの承認(我が国では2015年承認)を得て,2014年に抗PD-1抗体ニボルマブが我が国で承認された.その後,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体を中心に複数の癌腫に単剤として適応の拡大が進み,その後,併用療法(複合がん免疫療法)が,多数の進行がんに対して承認されている.近年は早期癌に対する周術期治療としてICIが承認され,適応の拡大が進んでいる.本稿では肺癌以外のICIの開発状況について概説する.
索引用語:免疫チェックポイント阻害薬, CTLA-4, PD-1, PD-L1, 複合がん免疫療法

肺癌 64 (3):158─167,2024

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