第37巻第1号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
皮膚筋炎に合併した肺腺癌の1例
桜井 雅紀, 西尾 誠人, 唐渡 敦也, 林 泉, 渡辺 孝宏*, 古江 増隆*癌研究会附属病院内科, *東京大学医学部附属病院分院皮膚科
症例は36才の男性で1995年9月に当院を受診,精査にて肺腺癌(T4N2M0,stage IIIB)と診断されcisplatin 5 mg/bodyの連日投与を併用した胸部放射線照射が施行された.治療中筋力の低下,顔面および指節間関節背側の特徴的皮診から皮膚筋炎を診断された.皮膚筋炎はprednisoloneで一時軽快したが,肺癌は胸腰椎に骨シンチ陰性の転移,さらには肺肝に多発性転移をきたし,症例は入院から7ヶ月後に死亡した.36才でありながら皮膚筋炎と肺癌を合併したまれな症例である.
索引用語:Adenocarcinoma, Lung cancer, Dermatomyositis, Bone scintigraphy, False-negative
受付日:1996年9月11日
受理日:1996年11月13日
肺癌 37 (1):87─91,1997