第37巻第2号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
11C-Methionine PETおよび201Tl SPECTによる肺癌リンパ節転移診断能の比較検討
青柳 壽幸1, 2, 山口 豊1, 安川 朋久1, 吉川 京燦2, 戸川 貴史4, 油井 信春4, 木村 秀樹5, 鈴木 和年3, 宮本 忠昭2, 辻井 博彦21千葉大学医学部肺癌研究施設外科, 2放射線医学総合研究所重粒子治療センター治療診断部, 3放射線医学総合研究所重粒子治療センター高度診断機能ステーション, 4千葉県がんセンター核医学診療部, 5同 呼吸器科
非小細胞肺癌同一症例22例に対し,術前に,11C-Methionine positron emission tomography(PET)と201Tl single photon emission computed tomography(SPECT)を施行し,病理標本をもとに肺門および縦隔のリンパ節転移診断の比較検討を行った.PET検査の評価は腫瘍筋肉比を用い半定量的に行い,SPECT検査の評価は視覚的に行った.リンパ節転移診断能のそれぞれのsensitivity,specificity,accuracyは11C-Methionine PETで79.2%,91.5%,87.3%,201Tl SPECTでは62.5%,89.3%,79.5%であった.11C-Methionine PETでは胸部CTで陽性基準に満たない短径7mm~9mmの5個の転移リンパ節のうち4個が転移陽性と診断でき,小さなリンパ節に対しても高い診断能が示唆された.11C-Methionine PETは空間分解能が高いため個々の正確なリンパ節の同定ができ,かつ半定量的な診断が可能であった.11C-Methionine PETは201Tl-SPECTに比べ高いsensitivityが得られた.
索引用語:11C-Methionine PET, 201TI SPECT, Non-small cell lung cancer, Lymph node metastasis
受付日:1996年12月4日
受理日:1997年2月17日
肺癌 37 (2):169─177,1997