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第37巻第2号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
脳転移を伴う肺野結節型小細胞肺癌に対する化学・放射線同時併用療法で5年以上生存中の1例
村上 昌雄, 黒田 康正, 河野 康一, 余田 栄作, 郡 義明＊天理よろづ相談所病院放射線科, ＊同 呼吸器内科
T1N0M1（BRA）小細胞肺癌に対し，放射線・化学療法の併用で5年以上経過観察中の1例を報告する．症例は63才男性で食道癌術後7年目，肺結核治療後5年目の経過観察中に，右S3に径10 mm大の結節型の腫瘤（SPN：Solitary pulmonary nodule）を発見された．肺門縦隔リンパ節腫大はなく，CTガイド下生検で小細胞肺癌と診断された．頭部MRIで左前頭葉に径20 mm大の単発脳転移を認めたが，他に遠隔転移巣はなかった．原発巣肺門縦隔に50Gy/25Fr.，頭部に46Gy/23Fr.の放射線治療と同時併用で科学療法（CDDP-VPとADM，EX，MMC）を行い両者共にCRとなった．約4年後に右肺門に局所再発を認め再治療を行い再び緩解し，現在初回時より5年経過しているが再発はみられない．SPN型の小細胞肺癌は遠隔転移があっても積極的な化学療法と放射線療法が予後延長に寄与することが示唆された．
索引用語：Solitary pulmonary nodule, Small cell lung cancer, Brain metastasis, Concurrent chemoradiotherapy, Long-term survival
受付日：1996年11月6日
受理日：1997年2月24日
肺癌 37 (2)：237─242，1997
