タイトル
第37巻第2号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

肺腺癌と前縦隔原発悪性神経鞘腫の一重複癌症例

佐々木 秀文1,2, 佐野 正明1, 山田 健1, 矢野 智紀1,2, 水野 武郎1
1聖隷三方原病院呼吸器外科, 2現名古屋市立大学第2外科

肺腺癌と前縦隔原発悪性神経鞘腫の重複癌症例を経験したので文献的考察を加えて報告する. 症例は69歳男性.平成2年,他院にて前縦隔悪性神経鞘腫摘出術を受けている.平成3年8月,当院にて左肺S4発生腺癌に対して左上葉切除術を施行した.退院後外来経過観察中,平成4年7月定期検査の胸部X線上右S3に腫瘤陰影を認めたため,肺癌の肺転移を疑って9月1日右肺腫瘤核出術を施行した.術後病理検査で悪性神経鞘腫の肺転移と診断した. 当院での1987から1992年9月末までの肺癌手術例227例中22例が重複癌合併例であったが,悪性縦隔腫瘤との重複は本例のみで,稀と考えられたので報告する.
索引用語:Lung cancer, Adenocarcinoma, Malignant schwannoma, Malignant mediastinal tumor, Double cancer

受付日:1997年1月28日
受理日:1997年2月27日

肺癌 37 (2):243─248,1997

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