タイトル
第37巻第3号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

薬剤耐性肺癌細胞株のICAM-1とLFA-3発現によるLAK細胞感受性の増強

高橋 敬治, 斉藤 勢也, 近藤 和也, 門田 康正
徳島大学第2外科

CDDP耐性細胞株(CD-5),VP-16耐性細胞株(VP-4)は接着因子であるICAM-1(CD54)あるいはLFA-3(CD58)をヒト肺小細胞癌細胞株野生型(NCI-N417(wild type))より有意に高率に発現し,さらに野生型に比し有意に高いLAK細胞感受性を有していた.これらの薬剤耐性細胞のCD54,CD58がLAK細胞に対する感受性を増強するmoleculeであることを確認するために抗CD54抗体,抗CD58抗体を用いたinhibition testを行った. 抗CD54抗体と抗CD58抗体はLAK assayのeffector phaseに添加してもDaudi細胞のLAK細胞に対する感受性を低下しなかった.抗CD54抗体はCD-5とVP-4のLAK細胞に対する感受性を低下した.抗CD58抗体はCD-5とVP-4のLAK細胞に対する感受性を有意に低下した.以上より,CD58がこの感受性を増強するmoleculeとして機能している可能性が確認された.
索引用語:LAK, Lung cancer, Multidrug-resistance, ICAM-1, LFA-3

受付日:1996年6月10日
受理日:1997年2月25日

肺癌 37 (3):295─300,1997

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