タイトル
第37巻第3号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

悪性胸膜中皮腫国際TNM分類(IMIG分類)に関して―従来の病期分類との比較―

中野 孝司, A. Philippe Chahinian, 眞城 美穂, 戸川 直樹, 東野 一彌
兵庫医科大学第3内科, Department of Neoplastic Diseases, Mount Sinai School of Medicine

悪性胸膜中皮腫には国際的に認められる統一した病期分類法がないため,International Mesothelioma Interest Group(IMIG)は新たに国際中皮腫TNM分類(IMIG分類)を提案した.本邦においてよく用いられるButchart分類をはじめとする従来の分類法の殆どはTNM Systemに準拠しないで臨床病期を4期に分けている.TNM systemに準じているのはChahinian分類,UICC分類である.従来の分類法は胸壁浸潤,リンパ節転移の規定が曖昧であり,また,I期の腫瘍進展範囲を広く設定しているため予後を一致させた患者分類が難しい.IMIG分類ではI期を臓側胸膜腫瘍巣の有無により2群に分け,ともにリンパ節転移のないものとしている.N因子は他の中皮腫TNM分類と同様に非小細胞肺癌と基本的に同じであるがprospectiveな確認はされていない.IMIG国際分類は従来のものより的確であり臨床に即している.
索引用語:Malignant pleural mesothelioma, TNM staging system, Prognosis, Pleuropneumonectomy

受付日:1996年9月18日
受理日:1997年4月7日

肺癌 37 (3):323─333,1997

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