タイトル
第37巻第4号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

超高感度免疫染色法を使用した肺小細胞癌におけるクロモグラニンAの検出

住吉 慶明, 白日 高歩, 川原 克信, 菊池 昌弘
福岡大学第2外科学教室, 同 第1病理学教室

クロモグラニンA(CgA)は,432個のアミノ酸からなる可溶性蛋白で神経内分泌細胞や腫瘍の分泌顆粒中に存在している.しばしば神経内分泌腫瘍のマーカーとして免疫組織化学に利用されている.その特異性は非常に高いものの,検出感度が劣り,しばしば偽陰性をしめす.今回我々は,超高感度免疫染色法(ImmunoMax)を使用し肺小細胞癌におけるCgAの検出を試みた.24例の症例のうち通常のABC法による免疫染色では3例の症例(12.5%)でのみ検出されたが,ImmunoMax使用時は,17例の症例(70.8%)で検出された.CgAの免疫染色はImmunoMaxを使用することにより高い特異性を保持しつつ,感度を増すことが可能となった.これにより,肺小細胞癌の確定診断の補助として非常に有用となると考えられる.
索引用語:Chromogranin A , Immunohistochemistry, ImmunoMax, Small cell lung carcinoma

受付日:1997年2月28日
受理日:1997年6月9日

肺癌 37 (4):485─490,1997

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