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第37巻第6号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
Cisplatinを含む併用化学療法施行時の非小細胞肺癌患者の臨床的予後因子
藤兼 俊明, 佐々木 伸彦, 高橋 政明, 武田 昭範, 山崎 泰宏, 藤田 結花, 辻 忠克, 松本 博之, 清水 哲雄国立療養所道北病院内科
Cisplatinを含む併用化学療法を行った105名の非小細胞肺癌患者（臨床病期：III，IV 期，PS：0-3，75歳以下）の臨床的予後因子を検討した．単因子解析では，PS：0-1，予後栄養因子（PNI）＊：45＜，血清NSE値：正常，体重減少：なし，臨床病期：III期，血清LDH値：正常が有意な予後良好の因子であった．Coxの比較ハザードモデルを用いた多変量解析では，PNI，PS，臨床病期の順に有意に生存期間に影響を与えた．Recursive partitioning and amalgamation法を用い3個の予後亜群を得た．予後亜群1（PNI：45＜，PS：0-1のIII期），予後亜群2（PNI：45＜，PS：2-3のIII期またはPS：0-1のIV期），予後亜群3（PNI：≦45または45＜，PS：2-3のIV 期）の中間生存期間はそれぞれ15.9，9.3，5.5ヵ月であった．PNIはCisplatinを含む併用化学療法施行時の有用な臨床的予後因子と考えられた． PNI＊：10×血清アルブミン値（g/dl）＋0.005×末梢総リンパ球数（/mm3）（小野寺ら）
索引用語：Non-small cell lung cancer, Chemotherapy, Prognostic factor, Prognostic nutritional index, Prognostic subgroup
受付日：1997年2月3日
受理日：1997年6月20日
肺癌 37 (6)：833─840，1997
