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第37巻第6号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
小型腺癌のthin-section CTと野口らの病理組織学的分類との比較検討
瀬戸 眞由美1, 4, 栗山 啓子1, 木戸 尚治1, 黒田 知純1, 東山 聖彦2, 児玉 憲2, 土井 修2, 宝来 威3, 安藤 正幸51大阪府立成人病センター放射線診断科, 2同 第2外科, 3同 第4内科, 4現 国立療養所再春荘病院, 5熊本大学第1内科
最大径2 cm以下の肺野型肺腺癌のthin-section CTにおける組織上の特徴を明らかにするために，術前CT像と病理像を比較検討した．切除肺腺癌80例のCT像を腫瘍の大きさ，辺縁の性状，周辺構造との関係，内部構造について評価した．切除標本のヘマトキシリン・エオジン像を予後との相関の良い野口らの病理学的分類に従って分類し，肺胞上皮置換部分や線維化の程度を評価し，CT像と比較検討した．CTでは，肺胞上皮置換性の増殖を示すA，B型 （29例） はスリガラス濃度を呈し，C型（29例） は充実性陰影の辺縁にスリガラス濃度部分を認め，A，B，Cの順にスリガラス濃度部分が小さい傾向があった．D，E，F （24例） はCTで辺縁鮮明な充実性濃度を呈した．小型腺癌のthin-section CTにおけるスリガラス濃度部分は肺胞上皮置換部分を反映し，スリガラス濃度部分の定量的診断は野口らの腺癌の病理学的分類に有用である．
索引用語：Pulmonary adenocarcinoma, Thin-section computed tomography, Radiologic-pathologic correlation
受付日：1997年3月31日
受理日：1997年7月8日
肺癌 37 (6)：841─848，1997
