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第37巻第6号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
原発性肺癌切除例に対するIntensive Follow-upの問題点
薄田 勝男, 斎藤 泰紀＊, 高橋 里美, 半田 政志, 佐久間 勉, 佐川 元保＊＊, 佐藤 雅美＊＊, 遠藤 千顕＊＊, 高橋 博人＊＊, 藤村 重文＊＊仙台厚生病院外科, ＊国立仙台病院呼吸器外科, ＊＊東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野
1）原発性肺癌切除例203例を計画的な外来経過観察をすることにより，初再発・転移および異時性肺癌の64%が無症状の時期に発見され，治療をより早い段階で開始できた． 2）当科の計画的な外来経過観察は，肺癌・扁平上皮癌およびN0症例で効果的であるが，小細胞癌・大細胞癌およびN1・N2症例で不十分であった． 3）無症状の時期に最初に異常を検出できる感度の高い検査は，胸部CT・腫瘍マーカー・胸部X線写真・喀痰細胞診・頭部CTであった．胸部および頭部は治療効果も高く，外来経過観察では特に慎重な検索が必要である． 4）再発率は，T因子・N因子が進むほど，根治度が悪化するほど，また分化度が低下するほど上昇した．再発率曲線をみる限り，術後3年以内のカーブは比較的急で以後漸増することが多く，このことを念頭においてより効果的な経過観察の方法を検討する必要がある．
索引用語：Primary lung cancer, Follow up, Recurrence, Metastasis, Metachronous lung cancer
受付日：1996年9月26日
受理日：1997年7月22日
肺癌 37 (6)：855─865，1997
