タイトル
第37巻第6号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

生前に脊髄内転移を診断し得た28歳発症の肺小細胞癌の1例

春日 郁馬, 黄川田 雅之, 國澤 晃, 鳥居 泰志, 市瀬 裕一, 外山 圭助
東京医科大学内科第1講座

症例は28歳,男性.1996年3月に発熱と左胸痛を訴え当院外来を受診.胸部X線で左胸水および左下葉の腫瘤陰影が認められ精査目的に入院.気管支鏡で左下葉入口部の著明な狭窄があり,同部位からの直視下生検より小細胞癌と確定診断した.全身化学療法および放射線照射の併用を行い一時寛解を得て退院したが,退院直後より下肢の疼痛と歩行困難が出現.MRIで脊髄転移が発見された.直ちに同部への放射線照射を開始したが,再び原発巣の増大と左胸水貯留を認め,初回入院から8ヵ月後に呼吸不全のため死亡した.本例は若年発症の肺癌例であり,かつ脊髄内転移を生前に診断し得た貴重な症例であった.
索引用語:Small cell carcinoma of the lung, Spinal cord metastasis, Young adalt, MRI

受付日:1997年7月2日
受理日:1997年7月22日

肺癌 37 (6):899─902,1997

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