タイトル
第37巻第6号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

Cisplatin,5-fluorouracilと多分割照射による胸部照射の同時併用療法が著効した,巨大気腫性背肺嚢胞症に合併した肺腺癌の1例

喜多嶋 拓士, 上岡 博, 木浦 勝行, 田端 雅弘, 原田 実根, 清水 信義
岡山大学第2内科, 同 第2外科

症例は48歳,男性.平成3年10月より右肺尖部の巨大肺嚢胞症に感染を合併し,発熱,右胸背部痛にて入退院を繰り返していたが,平成6年10月,胸部CTにより嚢胞部に一致して腫瘤影を発見された.気管支鏡検査,CTガイド下経皮肺生検を施行したが確定診断がつかず,胸壁外に浸潤した腫瘤の全麻下生検により低分化型腺癌と診断された.cisplatin, 5-fluorouracilおよび胸部照射の同時併用療法を行ったところ,腫瘍の著明な縮小と発熱,右胸背部痛の軽減が認められた.
索引用語:Lung cancer, Giant emphysematous bulla, Chemo-radiotherapy

受付日:1997年3月17日
受理日:1997年7月24日

肺癌 37 (6):913─917,1997

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