タイトル
第37巻第7号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

quality-adjusted survival analysisからみたIIIB,IV 期肺腺癌における2年生存例の検討

藤田 昭久, 高畠 博嗣, 田垣 茂, 関根 球一郎
北海道恵愛会南一条病院呼吸器科

1986年7月から1994年12月までに当院に入院し化学療法を施行したIIIB,IV 期肺腺癌146例の内,2年以上の生存が得られた25例について,背景因子と治療効果について検討した.背景因子ではPSのみが有意な因子であった.治療効果ではPRが17例と有効な症例が多く,治療回数も中央値で7回と多いことが特徴であった. また2年生存例を対象にquality adjusted survival analysisを用いて,化学療法が生活の質に及ぼす影響についても検討した.2年間の観察期間で,utを0に近い値,すなわち化学療法の負の影響が大きいと仮定した場合,2年生存例でもQ-TwiSTの平均値は健康時の70%程度であった.
索引用語:Adenocarcinoma, Chemotherapy, 2-year survivor, Quality-adjusted survival analysis

受付日:1997年3月31日
受理日:1997年11月11日

肺癌 37 (7):973─980,1997

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