タイトル
第37巻第7号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

滑膜肉腫肺転移例に対する術後養子免疫療法

申 東蘭, 木村 秀樹, 岩井 直路, 山本 直敬, 本橋 新一郎
千葉県がんセンター呼吸器科, 千葉大学医学部肺癌研究施設外科

症例は26才男性で1992年11月左上腕の滑膜肉腫にて上腕の切断術を行った.術前術後化学療法を実施したが無効で翌年2月胸部CTにて異常陰影が認められ,手術目的で同年7月当科に紹介された.入院時胸部CTにて両側肺野に多発性腫瘤陰影を認めた.入院後,抗癌剤化学療法および開胸術4回施行するも,効果なく,1994年2月よりIL-2,LAK細胞による養子免疫療法を追加した.その後1997年4月までに3回の開胸術と化学療法に加えて18クールのIL-2,LAK療法を施行し,4年後の現在健在である.養子免疫療法の副作用は主に発熱,悪寒,戦慄であるが2~3日で回復する.術後の化学療法を含めた養子免疫療法により再発までの期間の延長と転移数の減少が期待できると考えられた.
索引用語:Synovial sarcoma, Lung metastasis, Adoptive immunotherapy, Lymphokine activated killer (LAK) cells, Interleukin 2 (IL-2)

受付日:1997年7月30日
受理日:1997年9月30日

肺癌 37 (7):1023─1028,1997

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