タイトル
第37巻第7号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

喀痰中に腫瘍細胞を認めた悪性胸膜中皮腫の1例

森田 祐二1, 2, 寺本 信1, 西山 薫1, 今田 彰浩1, 平澤 路生1, 阿部 庄作1
1札幌医科大学第3内科, 2(財)北海道労働保健管理協会

喀痰中に腫瘍細胞の出現を認めた悪性胸膜中皮腫の稀な1例を報告した.症例は67歳男性で,胸部X線写真上右側胸膜の不整肥厚像が次第に増強し,それに伴い咳,痰,右胸部痛がみられるようになったため当科に紹介され入院した.喀痰細胞診では腺癌に類似した腫瘍細胞が認められたことから肺腺癌が疑われたが,経皮的生検材料の電顕像および特殊,免疫染色所見から悪性胸膜中皮腫,上皮型と診断した.
索引用語:Malignant pleural mesothelioma, Sputum cytology, Immunohistochemistry

受付日:1997年6月23日
受理日:1997年10月22日

肺癌 37 (7):1041─1045,1997

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