タイトル
第38巻第1号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

N3肺癌5症例に対する集学的治療とその成績

鈴木 実, 木村 秀樹, 岩井 直路, 高橋 好行, 藤澤 武彦
千葉県がんセンター呼吸器科, 千葉大学医学部肺癌研究施設外科

原発性肺癌の中でN3症例は手術適応になることが少なく,その予後はきわめて不良である.1994年1月から1996年3月までに当センターで切除を受けたN3肺癌5症例について検討した.術前全身化学療法を行ったのは3例で,手術はすべて胸骨縦切開による頸部までの拡大縦隔郭清を行った.術後,局所化学療法・免疫療法を4例に追加した.そのうち,2例は22ヵ月後の現在非担癌生存中であるが,3例は遠隔転移をきたし,34ヵ月,19ヵ月,18ヵ月で失った.手術療法は化学療法が奏効した場合の局所制御の一手段として有用な場合もあると考えられたが,遠隔転移巣を制御する治療の追加が必要である.
索引用語:Lung cancer, N3, Induction chemotherapy, Extended mediastinal dissection, Adjuvant chemo-immunotherapy

受付日:1997年10月13日
受理日:1997年11月21日

肺癌 38 (1):49─55,1998

ページの先頭へ