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第38巻第1号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
前縦隔に発生した巨大カルチノイドの1例
福田 実, 岡三 喜男, 寺師 健二, 井上 啓爾＊, 早田 宏, 河野 茂長崎大学第2内科, ＊同 第2外科
症例は29歳，男性．嗄声で発症し，検診の胸部X線で縦隔腫瘍を指摘され，左鎖骨上窩リンパ節生検によりカルチノイドと診断した．腫瘍は大血管を巻き込んで手術不能であり，生検組織を用いた抗癌剤感受性試験でも各種抗癌剤に対し耐性を示した．しかし3コースの化学療法と合計55 Gyの胸部放射線同時照射を施行し，若干の効果が認められ，治療開始より18ヵ月経過した現在も腫瘍増大，症状増悪なく外来通院中である．進行型カルチノイドに対する治療法開発の必要性を感じた．
索引用語：Thymic carcinoid, Carcinoid, Mediastinal tumor, Chemotherapy, Radiotherapy
受付日：1997年10月15日
受理日：1997年12月22日
肺癌 38 (1)：81─86，1998
