 |
第38巻第2号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
片肺全摘後の対側肺手術3例の検討
井上 修平, 手塚 則明, 澤井 聡, 小西 孝明, 紺谷 桂一, 藤野 昇三滋賀医科大学第2外科
肺癌のため片肺全摘術を施行した後に，対側肺に出現した腫瘍切除術の3例について検討を加えた．初回手術時の年齢，性別，手術側，組織型，病期分類，初回手術から対側腫瘍発見までの期間，対側腫瘍発見からの2回目手術までの観察期間，対側腫瘍の組織型，対側腫瘍切除後の経過は症例毎に以下の結果であった．症例1：58歳，男性，左，扁平上皮癌，pT2N0M0，78ヵ月，3ヵ月，大細胞癌，42ヵ月再発なし．症例2：56歳，男性，左，大細胞癌，pT2N2M0，71ヵ月，27ヵ月，腺癌，9ヵ月後に右癌性胸膜炎併発（12ヵ月担癌生存）．症例3：33歳，女性，右，胎児肺型腺癌，pT2N1M0，10ヵ月，14ヵ月，胎児肺型腺癌，13ヵ月後に再々切除（17ヵ月生存）．3例共に2回目の手術は肺部分切除を施行した．再手術により比較的良好な経過を有する症例が存在するので，片肺全摘後でも心肺機能評価で切除可能であれば積極的な外科治療も考慮すべきと思われる．
索引用語：Lung cancer, Pneumonectomy, Contralateral lung resection, Residual lung function
受付日：1997年12月15日
受理日：1998年2月17日
肺癌 38 (2)：167─170，1998
