タイトル
第38巻第2号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

気管分岐部に発生した神経鞘腫の1例

星 永進1, 青山 克彦1, 村井 克己1, 高柳 昇2, 星 俊子3, 河端 美則4
1埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器外科, 2同 内科, 3同 放射線科, 4同 臨床検査

症例は47歳の女性で,検診で胸部異常影を指摘され,精査治療目的に入院した.主訴は咳嗽,呼吸困難で,胸部単純写真では左肺門部に腫瘤影を認めた.胸部CT,MRIでは気管分岐部に5.8×4.5 cmの充実性腫瘍を認め,気管,左主気管支との境界は不明瞭であった.気管支鏡では気管下部左側後壁から左主気管支にかけて,内腔をほぼ閉塞する粘膜下腫瘍を認めた.生検では確定診断に到らなかったが,臨床症状が進行性であったため,気管気管支壁への浸潤をともなう悪性縦隔腫瘍を疑い,左管状肺摘除術を施行した.術後病理診断では,組織学的には良性の神経鞘腫と診断された.
索引用語:Mediastinal tumor, Carina, Schwannoma

受付日:1997年12月15日
受理日:1998年3月20日

肺癌 38 (2):171─175,1998

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