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第38巻第3号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
肺性肥大性骨関節症を合併した肺癌の1例
宮澤 正久, 羽生田 正行＊, 小松 彦太郎＊信州大学第2外科, ＊国立療養所中信松本病院呼吸器外科
症例は42歳男性．両下腿の浮腫，四肢関節痛を主訴に他院を受診した．入院時現症では，四肢関節痛および運動障害，下腿の浮腫，手指のばち状指がみられた．胸部X線上，左上肺野の腫瘤影を認め，気管支鏡検査の結果，S1＋2原発の肺癌と判明した．骨シンチグラムでは，両側対称性に下肢長幹骨および中足骨の異常集積を認めた．以上より，肺癌に随伴した肺性肥大性骨関節症（Pulmonary hypertrophic osteoarthropathy：PHO）と診断し，胸腔鏡補助下左肺上葉切除術を施行した．四肢関節痛は術直後より消失，術後5ヵ月目の骨シンチグラムでも，術前にみられた異常集積は消失していた．
索引用語：Lung cancer, Pulmonary hypertrophic osteoarthropathy, Bone scintigraphy
受付日：1997年11月28日
受理日：1998年4月3日
肺癌 38 (3)：223─227，1998
