タイトル
第38巻第3号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

血清AFP値再上昇のないAFP産生肺癌再発の1例

平原 浩幸, 相馬 孝博, 岩島 明, 塚田 博**
長岡中央総合病院胸部外科, 同 内科, **同 放射線科

血清AFP値が3,871 ng/ml と異常高値を示した原発性肺癌の75歳の男性に肺葉切除を行った.術後血清AFP値は正常となったまま,6ヵ月後に胸部X線および胸部CTにて対側肺内転移を認めた.他に遠隔転移ないため,再手術を行い転移巣を完全に切除した.病理所見では原発巣,転移巣ともに低分化型腺癌であった.免疫染色でAFP産生が確認されたが,転移巣は原発巣に比べAFP陽性細胞の割合が非常に少なかった.患者は再手術より10ヵ月現在再発なく生存中である.AFP産生肺癌であっても本例のように血清AFP値の推移が再発の予測にならない症例があり,全身CTによる監視が必要である.
索引用語:AFP-producing lung cancer, Recurrence, Re-operation

受付日:1998年3月18日
受理日:1998年4月21日

肺癌 38 (3):235─240,1998

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