タイトル
第38巻第6号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

1回曝射エネルギーサブトラクションComputed Radiographyによる肺野結節影描出能の検討

土肥 美和子
大阪医科大学放射線医学教室

粒状改良型エネルギーサブトラクション像(以下ES)の肺結節影描出能を Conventional胸部単純写真(以下Conv)と比較し,ROC解析を用いて,その有用性を検討した.基礎的検討は,胸部ファントムとアクリル製の疑似結節を用いて,太い血管や気管支に重ならない肺野,肺血管に重なる部位,1本の肋骨に重なる部位,2本の肋骨に重なる部位,縦隔・横隔膜に重なる部位の5部位に分けて検討した.これらの部位別で,Conv,ES,FCR標準2画像(以下FCR),FCRとES を併せたもの(以下FCR+ES)の計4種類の画像について結節の描出能を5段階評価し,ROC解析を行った.次に,臨床的検討を68例について行い,結節の部位・大きさ別でも比較検討した.ESおよびFCR+ESはConvよりも優れており,ESは肺結節影のスクリーニングに有用であると考えられる.
索引用語:Energy subtraction, Computed Radiography, Lung nodules, ROC analysis

受付日:1998年5月11日
受理日:1998年8月26日

肺癌 38 (6):669─680,1998

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