第38巻第6号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
空洞壁に癌を伴った肺アスペルギローマの1例
西田 宗弘, 前部屋 進自, 別所 俊哉, 吉増 達也, 三好 新一郎*, 内藤 泰顯和歌山県立医科大学第1外科, *大阪大学第1外科
症例は66歳,男性.胸部レントゲン,CTにて右上葉に菌球様陰影を伴う,空洞性病変あり.血液検査にてアスペルギルス抗原陽性で,喀痰検査でもアスペルギルスの菌糸を認めた.肺アスペルギルス症の診断にて右上葉切除術を施行した.切除標本の病理組織検査で,空洞内のアスペルギルスの菌塊と,空洞壁の一部に腺癌の像を認め,肺アスペルギルスを合併した肺癌(T1N0M0,Stage IA,高分化型腺癌)と診断した.
索引用語:Pulmonary Aspergillosis, Lung cancer, Aspergilloma, Cyst, Renal failure
受付日:1998年5月8日
受理日:1998年9月1日
肺癌 38 (6):733─737,1998