タイトル
第39巻第1号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

肺癌末期患者に対する在宅酸素療法(HOT)の検討

西田 有紀, 千場 博, 瀬戸 貴司, 瀬戸 眞由美, 深井 祐治, 小野 恵子, 永木 由美子
熊本地域医療センター呼吸器科, 同 訪問看護部

肺癌末期患者における在宅酸素療法(以下HOT)の意義を調査するために,当センターにおける肺悪性腫瘍HOT症例について検討した.1987年4月から1997年12月までの間に当施設で施行したHOT症例は139例,そのうち肺悪性腫瘍症例は47例(33.8%)であり,全国集計での肺癌の割合(12%,1995年度)に比べ,有意に高かった.HOT施行例の多くは再入院後に死亡していたが,最終入院期間はHOT施行例の平均が25.7日とHOT非施行例に比べ約半分の日数だった.肺悪性腫瘍末期患者では家庭での生活を延長させるためにも動脈血酸素分圧(PaO2)にとらわれず,患者の自覚症状を中心に考え,早めにHOTを導入するほうがよいと考えられた.
索引用語:Lung cancer, Home oxygen therapy, Quality of life

受付日:1998年8月28日
受理日:1998年11月9日

肺癌 39 (1):13─16,1999

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