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第39巻第2号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
原発性肺癌を疑い胸腔鏡下肺部分切除術を施行した症例の検討
矢満田 健1, 宮澤 正久1, 近藤 竜一1, 町田 恵美1, 吉田 和夫1, 羽生田 正行1, 天野 純1, 本田 孝行2, 久保 恵嗣3, 曽根 脩輔41信州大学第2外科, 2同 臨床検査医学, 3同 第1内科, 4同 放射線科
胸腔鏡下肺部分切除を施行した原発性肺癌疑い末梢性肺腫瘤40例について検討した．術前CT画像上の腫瘤径は5～30 mm，平均11.9 mmであった．術中小開胸が4例で必要となったが，胸膜面から2cmの距離にある腫瘤に対しては，十分な切除マージンをとるため開胸が必要と思われた．確定診断は原発性肺癌27例，異型腺腫様過形成3例，過誤腫2例，炎症性腫瘤6例，肺内リンパ節2例であった．原発性肺癌27例の組織学的腫瘍径は3～22 mm，平均10.9 mmで18例が10 mm以下であった．18例に対して葉切除，郭清を施行した．他は，1例に区域切除を，8例については部分切除のみとした．術後4～54ヵ月の経過で全例無再発生存中である．肺癌治療成績の向上のため，CT検診による微小肺癌の発見，早期外科治療は重要であると思われる．従来の方法では確定診断困難な末梢性肺腫瘤性病変で，原発性肺癌を強く疑う病変に対しては，積極的に胸腔鏡手術を施行すべきと思われた．
索引用語：Small peripheral lung tumor, Small peripheral lung cancer, Thoracoscopic lung resection, Thoracoscopic lung biopsy, Limited operation
受付日：1998年8月27日
受理日：1999年3月9日
肺癌 39 (2)：137─143，1999
