タイトル
第39巻第2号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

気管支内腔に発生した髄外形質細胞腫の1例

西尾 誠人, 唐渡 敦也, 奥村 栄, 土屋 繁裕, 石川 雄一**, 中川 健
癌研究会附属病院内科, 同 呼吸器外科, **癌研究会癌研究所病理

症例は50歳男性,胸部X線写真にて左肺門部に異常陰影を指摘され,当院受診.胸部X線写真及び胸部CTにて左B3b気管支内の腫瘍が疑われた.気管支鏡検査では,左B3bを完全に閉塞する表面平滑光沢のあるポリープ状腫瘤を認めた.生検組織所見では粘膜内に異型のある形質細胞の浸潤が見られ,細胞質内の免疫グロブリン軽鎖はκ鎖であり,形質細胞腫と診断した.多発性骨髄腫に関する全身検索の結果,骨髄生検,血清蛋白では異常を認めなかったが,頭蓋骨にpunched-out lesionを認めた.気管支内腫瘍に対して放射線療法を施行し,気管支内腫瘍は消失した.現在,16ヵ月経過したが明らかな病状の増悪は認めていない. 気管支内形質細胞腫は非常に稀であり,若干の考察を加え報告した.
索引用語:Plasmacytoma, Endobronchial plasmacytoma

受付日:1998年12月17日
受理日:1999年2月4日

肺癌 39 (2):153─157,1999

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