第39巻第2号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
気腫性肺嚢胞に隣接した,喀痰細胞診陽性の末梢早期小細胞癌の1例
三竿 貴彦1,3, 佐藤 功1,2, 小林 琢哉1,2, 中野 秀治3, 中川 準平3, 伊達 学41香川県立がん検診センター呼吸器科, 2香川医科大学放射線科, 3香川県立中央病院外科, 4医療法人社団和広会 伊達病院
症例は67歳の重喫煙者の男性で,検診の喀痰細胞診にてD判定を受け当センターを受診した.胸部CTでは左S10に気腫性嚢胞に接した小結節影を認めたが,経過観察とした.半年後,検診の喀痰検査でC判定を受け再び受診した.喀痰細胞診を再検したところ陽性で,CTでは前回と同様に左S10に1.5 cm大の結節影を認めた.気管支鏡検査およびCTガイド下肺生検を行い小細胞癌と診断した.臨床病期はIA期であり,左肺下葉切除術を行った.病理組織診断は中間細胞型の小細胞癌であり,リンパ節転移はなかった.喀痰細胞診陽性を契機に発見された,気腫性肺嚢胞に合併した末梢型の早期小細胞癌の1例を経験し稀と考えられたので報告した.
索引用語:Small cell lung cancer, Emphysematous bullae, Sputum cytology
受付日:1998年9月10日
受理日:1999年2月22日
肺癌 39 (2):197─201,1999