タイトル
第39巻第3号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

OK-432とAdriamycinの併用胸腔内投与による肺癌に伴う癌性胸膜炎の治療

岸 一馬, 川畑 雅照, 坪井 永保, 成井 浩司, 本間 栄, 中谷 龍王, 中田 紘一郎
虎の門病院呼吸器科

肺癌に伴う癌性胸膜炎67例に対しOK-432とAdriamycin(ADM)の併用胸腔内投与を行い,その治療成績を検討した.全例にチューブドレナージを行い,胸水をできるだけ排液した後に,OK-432:5~10 KEとADM:10~30 mgを注入した.以後,OK-432:5~10 KE単独またはADM:10~30 mgとともに,胸水排液量が200 ml/日以下となるまで,胸腔内に追加注入した.薬剤の総投与量中央値はOK-432が10 KE,ADMが30 mgで,ドレーン留置期間中央値は10日間であった.効果は著効26例,有効31例,無効10例で,奏効率は85.1%であった.全体のMedian Survival Time(MST)は18.1週であった.癒着療法後に再ドレナージを要した例は8例(12%)のみであった.主な副作用は発熱であった.以上より,肺癌に伴う癌性胸膜炎に対しOK-432とADMの併用胸腔内投与は有効な治療法と考えられた.
索引用語:OK-432, Adriamycin, Pleurodesis, Malignant pleural effusion, Lung cancer

受付日:1999年1月5日
受理日:1999年3月19日

肺癌 39 (3):261─266,1999

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