タイトル
第39巻第3号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

若年者肺癌切除例の臨床的検討

山崎 明男, 益田 貞彦, 大瀬 良雄, 田原 稔, 中原 和樹, 山下 吉重, 薬丸 一洋
東京逓信病院第2外科, 同 病理

原発性肺癌手術例で40歳未満の若年者症例22例を経験したので臨床的検討を加えた.男性14例,女性8例で,平均年齢34.2歳,最少年齢は23歳であった.発見動機として無症状例が12例(55%),有症状例は10例(45%)であった.無症状例は全例,検診発見例であった.組織型は腺癌が12例(55%),小細胞癌4例(18%),カルチノイド3例(14%),扁平上皮癌2例(9%),大細胞癌1例(4%)で,40歳以上の肺癌手術症例と比較すると,小細胞癌とカルチノイドの比率は有意に高かった.病理病期は,I期9例,II期4例,IIIA期7例,IIIB期1例,IV 期1例であり,IIIA期までの症例が90%を占めていた.また検診発見例は,全例IIIA期までの症例であった.生存率では,非小細胞肺癌,小細胞肺癌共に,40歳以上の肺癌手術症例と比較して有意差はなかった.
索引用語:Lung cancer, Young adults, Non small cell carcinoma, Small cell carcinoma, Carcinoid

受付日:1999年1月25日
受理日:1999年4月2日

肺癌 39 (3):283─288,1999

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