タイトル
第39巻第3号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

縦隔リンパ節にサルコイド様反応を認めた肺癌5例の術前CT像の検討

瀬戸 眞由美1,2, 栗山 啓子2, 東山 聖彦3, 木戸 尚治2, 横内 秀起3, 児玉 憲3, 瀬戸 貴司4,5, 宝来 威4, 黒田 知純2
1現 瀬戸病院内科, 2大阪府立成人病センター放射線診断科, 3同 胸部外科, 4同 第4内科, 5現 熊本地域医療センター呼吸器科

術前CTにおいて縦隔リンパ節に短径10 mm以上の腫大を認め,転移性と判断した原発性肺癌症例のうち,術後診断で転移を認めず,サルコイド様反応を認めた肺癌5例の術前CT像の検討を行った.症例は65歳から75歳で,男性4例,女性1例である.病理組織は扁平上皮癌2例,腺癌3例であった.短径10 mm以上の腫大を認め,病理学的にサルコイド様反応を認めたリンパ節の部位は1番リンパ節が5例中3例,3番リンパ節が5例中3例であった.サイズは短径長径ともに10 mmの円形リンパ節が7個と最も多かった.しかし,術前の画像上での特徴での診断は困難であり,さらに多くの症例での検討と,手術適応症例においては縦隔鏡による組織診断を含めた正確な診断が必要と考えられた.
索引用語:Sarcoid-like reaction, Lung cancer, Computed tomography

受付日:1998年9月25日
受理日:1999年4月14日

肺癌 39 (3):289─293,1999

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