タイトル
第39巻第3号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

原発性肺癌切除前に主病巣以外に指摘された他結節の検討―CT所見と病理所見を中心に―

掛田 伸吾, 青木 隆敏, 渡辺 秀幸, 平方 敬子, 中田 肇, 中西 良一, 安元 公正
産業医科大学放射線科, 同 第2外科

原発性肺癌症例で他結節が他肺葉に存在し切除により組織診断の得られた20 mm以下の結節28病変(悪性14病変,良性14病変)について検討した.CTの検討では,充実型に関し悪性結節は5病変すべて辺縁不整であったのに対して,良性結節では10病変中8病変が辺縁平滑で円形を呈し辺縁の性状が良悪性の鑑別には有用であった.含気・混合型に関しては,いずれも辺縁不整を示すものが多く,良悪性の鑑別は困難であった.第一癌と悪性他結節が同一組織像であった12病変中7病変では両者は類似した進展形態を示し転移が示唆されたが,この中には多発癌を否定できない症例も含まれていた.肺癌症例の術前にCTで主病巣以外の他肺葉に結節が検出された場合には,明らかな多発性の転移でなければ多くの場合で積極的な組織診が必要である.
索引用語:Lung cancer, Nodule other than primary tumor, CT, Pathology, Diagnosis

受付日:1999年2月17日
受理日:1999年4月26日

肺癌 39 (3):309─316,1999

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