タイトル
第39巻第3号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

右主気管支発生の粘表皮癌の1切除例

鈴木 実1, 門山 周文1, 入江 太朗2, 廣島 健三3, 大和田 英美3, 清水 栄4
1大宮赤十字病院呼吸器外科, 2同 病理, 3千葉大学医学部肺癌研究施設病理, 4幸手総合病院

症例は53歳,男性.血痰を主訴とし,1998年3月近医を経て当科紹介受診.気管支鏡検査で右主気管支に結節状腫瘤を認め,生検で腺癌を示唆する悪性細胞を得た.右上幹,中間幹の粘膜は正常であり,気管支壁外浸潤はないことから縮小手術の適応と考え,右主気管支楔状切除,リンパ節郭清を施行した.組織学的には,多形性を示す唾液腺型腫瘍である粘表皮癌と診断された.リンパ節転移はなく,pT1N0M0,stage IAであった. 本症例は病理組織学的診断に難渋した点,主気管支発生の粘表皮癌に対する術式の点で興味ある症例と考え報告した.
索引用語:Lung cancer, Salivary gland-type tumor, Mucoepidermoid carcinoma, Limited operation

受付日:1999年1月8日
受理日:1999年3月9日

肺癌 39 (3):317─321,1999

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