タイトル
第39巻第4号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

スパイラルCT検診車による肺癌一次検診における費用効果分析

朝倉 和浩1, 花村 和久1, 曾根 脩輔1,2, 李 峰2, 滝沢 正臣1,3
1通信・放送機構松本リサーチセンター, 2信州大学放射線科, 3同 医療情報部

我々は,長野県下においてスパイラルCT検診車を用いて,肺癌に対する一次検診を96年5月から実施している.96年度は6,341名,97年度は6,003名の受診者があり,多くの小さい肺癌が発見された.3年目の検診を現在継続中であるが,97年度までの2年間の具体的データを飯沼らの提唱する肺癌検診における費用効果についてのモデル1),2)に適用して費用効果関係の分析を行った.その結果,受診者一人当りの必要経費は約5,000円と計算された.費用効果比については,5年生存率など今後実証的なデータを求めるべき部分が残っており,最終的な数値は提示できないが,現時点における推定では,CTによる肺癌検診は費用効果比において従来法による検診と同等もしくはより優れており,CT検診は経済的にも有効であるといえる.
索引用語:Screening, Lung cancer, Spiral CT, Cost-effectiveness

受付日:1998年12月2日
受理日:1999年4月22日

肺癌 39 (4):381─388,1999

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