タイトル
第39巻第4号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

肺野小型病変(15 mm以下)のthin-section CT画像による検討―良悪性の鑑別を中心に―

安福 和弘1,2, 大岩 孝司1, 藤澤 武彦2
1松戸市立福祉医療センター東松戸病院呼吸器外科, 2千葉大学医学部肺癌研究施設外科

肺野小型病変の良悪性の鑑別診断を行う目的で,thin-section CT画像所見を検討した.対象は当院で切除され病理組織学的診断の得られた最大径15 mm以下(CT計測値)の肺野小型病変45例である.CT画像は病変の内部構造(濃度,透亮像の有無,石灰化の有無),辺縁の性状(整か不整か,ケバ立ちの有無,ノッチの有無,胸膜嵌入の有無),血管,気管支の関与について検討した.胸膜嵌入についてはその有無およびその形態の分類を行い検討した.小型であってもthin-section CTでその画像所見を詳細に検討すると,従来いわれていた癌の形態学的な特徴を有していることが明らかになった.すなわち良悪性の鑑別診断には病変部の辺縁の不整像,ケバ立ち,2本以上の肺静脈の関与,さらに胸膜嵌入像の形態を詳細に検討することでより高い質的診断が可能と考えた.
索引用語:Thin-section computed tomography, Small pulmonary nodules, CT diagnosis

受付日:1998年1月22日
受理日:1999年6月3日

肺癌 39 (4):395─401,1999

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