タイトル
第39巻第4号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

cN2pN0症例48例についての検討

瀬戸 眞由美1,2, 栗山 啓子2, 横内 秀起3, 木戸 尚治2, 東山 聖彦3, 児玉 憲3, 瀬戸 貴司4,5, 宝来 威4, 黒田 知純2
1現 瀬戸病院内科, 2大阪府立成人病センター放射線診断科, 3同 胸部外科, 4同 第4内科, 5現 熊本地域医療センター呼吸器科

1988年から1996年まで当センターで外科的切除された原発性肺癌731症例について,N因子診断の正診率は66.3%であった.このうち,術前CTにおいて縦隔リンパ節に短径10 mm以上の腫大を認め,転移陽性と判断した原発性肺癌症例のうち,術後診断で転移を認めなかった,いわゆるcN2pN0 67症例中,当センターで術前CTを施行した48症例について検討を行った.false positiveのリンパ節の組織学的所見はリンパ瀘胞の発達したものが殆どであったが,サルコイド様反応を呈した症例も認めた.組織型や腫大リンパ節の部位,原発巣の部位などでの有意な傾向は認めなかったが,48例中29例に何らかの他病変が指摘可能であった.正しいN因子の診断は,適切な治療や正確な予後判定に不可欠であり,特に手術適応症例においてはMRIや超音波気管支内視鏡,縦隔鏡を用いた生検などを含めた正確な診断が必要と考えられた.
索引用語:Lung cancer, Computed tomography, Mediastinal lymph node, Lymph node metastasis

受付日:1998年9月9日
受理日:1999年6月8日

肺癌 39 (4):403─409,1999

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