第39巻第4号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
肺異型腺腫様過形成(AAH)手術例の検討
近藤 竜一, 矢満田 健, 牧内 明子, 沼波 宏樹, 高砂 敬一郎, 町田 恵美, 宮澤 正久, 吉田 和夫, 天野 純, 曽根 脩輔*信州大学第2外科, *同 放射線科
CT検診にて発見された肺異型腺腫様過形成(AAH)手術例9症例の臨床および組織学的特徴を検討した.腫瘍最大径は0.7~15 mm,平均7.1 mm.胸部CTでは8例がスリガラス状陰影として描出され,血管収束像を伴うものが3例認められた.組織所見はlow grade AAHは4例, high grade AAHが5例で,low grade AAHは全例が野口分類type Aに類似し,high grade AAHは野口分類type Aに類似しているものが3例, type Bに類似しているものが2例であった.免疫染色ではCEA及びPE10が全例陽性となった.AAHは細気管支肺胞上皮癌(BAC)と密接に関連しており,現時点ではこれらの鑑別は困難と考えられるため,CT上AAHあるいはBACを疑うスリガラス状病変に対しては積極的に外科的切除を施行すべきと思われる.
索引用語:Atypical adenomatous hyperplasia, Bronchioloalveolar carcinoma, Precancerous condition, CT
受付日:1999年4月13日
受理日:1999年6月10日
肺癌 39 (4):411─419,1999