タイトル
第39巻第4号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

Computed Radiographyによる肺癌検診比較読影システムの開発とその臨床応用

渡 潤1, 田島 廣之1, 吉村 明修2, 工藤 翔二2,4, 五味 淵誠3, 矢野 侃4, 隈崎 達夫1
1日本医科大学放射線医学教室, 2同 第4内科学教室, 3同 第2外科学教室, 4荒川区がん予防センター

肺癌検診において前回撮影フィルムとの比較は重要である.今回我々は,Computed Radiography(CR)と総合画像管理システム(TDIS)を直結した比較読影システムを構築し,その臨床応用を行ったところ有用性が認められた.方法:CRよりオンラインで収集した画像データをTDISの光ディスクへ記録,画像データベースシステムへ受診者データとして登録する.登録されたデータを基に,前回並びに今回の画像を同時に2台のCathode Ray Tubeに表示,比較読影を行う.結果:平成4年度からCR検診による比較読影を開始した.本システムの導入により,前回画像の検索時間は一人当たり平均15秒と短縮された.年度別の要精検率は,平成4年度6.1%,5年度3.5%,6年度3.6%,7年度4.5%,8年度4.5%であった.2年目以降は,比較読影開始前の要精検率6.5%と比べ有意に減少した.さらに精検受診にて5年間に36例の肺癌が発見された(対10万人比68).まとめ:本システムの有用性が示唆された.
索引用語:Lung cancer, Computed radiography, Mass screening

受付日:1999年4月14日
受理日:1999年7月8日

肺癌 39 (4):437─442,1999

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