タイトル
第39巻第4号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

多発性の異型腺腫様過形成を合併した肺腺癌の1切除例

三竿 貴彦1, 佐藤 功1,2, 小林 琢哉1,2, 森田 純二3
1香川県立がん検診センター呼吸器科, 2香川医科大学放射線科, 3高松赤十字病院呼吸器外科

症例は58歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され来院.胸部CTでは中葉に3 cm大の腫瘤影とその近傍に2個の微小病変を認め,さらに右S3に10 mm大の淡い小結節影を認めた.中葉の腫瘤に対しては経気管支的肺生検にて,S3の病変に対してはCTガイド下経皮的穿刺吸引細胞診にて,いずれも腺癌と診断した.肺内転移および多発癌の可能性を考えた上で,右上中葉切除術を行った.病理組織学的には中葉の腫瘤は高分化型腺癌で,他の3個の小結節は全て異型腺腫様過形成であった.
索引用語:Lung cancer, Adenocarcinoma, Atypical adenomatous hyperplasia

受付日:1999年4月13日
受理日:1999年7月1日

肺癌 39 (4):471─476,1999

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