タイトル
第39巻第6号目次 Japanese/English

─ 総説 ─

肺癌放射線療法の最近の進歩

早川 和重, 新部 英男
群馬大学放射線医学教室

肺癌の放射線治療は,(1)切除不能非小細胞肺癌に対する根治的治療法として,(2)小細胞肺癌に対する胸部照射療法として,(3)小細胞肺癌の脳転移に対する予防的照射法として,(4)脳転移や骨転移などに対する対症的治療法などとして活用され,徐々にではあるが治療成績も向上しつつある.最近,注目されている治療法としては,(1)荷電粒子線療法,(2)密封小線源療法,(3)非密封小線源による内部照射療法,(4)定位的照射療法,(5)多分割照射法,(6)温熱療法の併用などがある.また,治療計画装置などの治療関連機器や画像診断装置,腫瘍マーカーなど診断技術の進歩も見逃せない.このような状況の中で今後,肺癌の放射線治療成績の向上に最も影響を及ぼすのは,集学療法における放射線療法の役割の確立である.そのためには腫瘍医の方々の放射線治療に対する理解を高めて頂くとともに,それにもまして放射線腫瘍医自身の質の向上と量の増加が望まれるのがわが国の実情である.
索引用語:Non-small cell lung cancer, Small cell lung cancer, Radiation therapy, Chemoradiotherapy, Radiation oncology

受付日:1999年6月1日
受理日:1999年9月16日

肺癌 39 (6):787─795,1999

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