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第39巻第6号目次 | Japanese/English |
─ 原著 ─
大腸癌肺転移切除例の予後因子および複数回手術の検討
中原 和樹, 益田 貞彦, 大瀬 良雄, 田原 稔, 山崎 明男, 山下 吉重, 薬丸 一洋＊東京逓信病院第2外科, ＊同 病理
大腸癌肺転移切除例 29例を対象に，予後因子，複数回手術の有用性について検討を行った．全体の5年生存率は50％，10年生存率は44％，中間生存期間（MST）38Mだった．転移個数別では単発 14例，多発 15例で，それぞれの5年生存率は単発例 79％，多発例15％で，単発例の予後が良好である傾向を認めた（p=0.06）．両側多発と一側多発で生存率を比較したが差を認めず，原発部位，DFI，手術方法でも差を認めなかった．複数回手術を行った症例は8例あり，そのうち2回手術を行った症例が6例，3回手術を行った症例が2例だった．8例中最長生存例は70ヵ月生存した．複数回手術例の初回手術を起点とした5年生存率は38％，MST：38Mだった．再切除後のMSTは35Mで，全体のMSTとほぼ同等だった．大腸癌肺転移に対する複数回手術は予後を改善すると思われ，手術が可能であれば，再切除をする意義があると思われた．
索引用語：Metastatic lung tumor, Colorectal cancer, Repeated surgery, Prognostic factor
受付日：1999年2月1日
受理日：1999年7月9日
肺癌 39 (6)：797─803，1999
