タイトル
第39巻第6号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

原発性単発性結節性肺アミロイドーシスの1症例

須田 博喜, 佐々木 克己, 中山 富太
長門総合病院放射線科, 同 外科

症例は62才の男性.住民検診で胸部異常陰影を指摘され,精査目的で受診した.自覚症状は認めず,4年前の胸部X線写真では異常は認められない.胸部X線写真では右上葉S3bに1.5×1 cmの結節影を認めた.CTでは内部に石灰化は認められず,Dynamic studyでは造影効果はほとんど認められなかった.MRIでは結節内部はT2強調画像で低信号を呈した.経気管支的肺生検では確定診断には至らなかったが,CTガイド下生検では気管支上皮下にアミロイドの沈着を認めた.確定診断目的で胸腔鏡下腫瘍摘出術が施行され,結節性肺アミロイドーシスと診断された.このアミロイド蛋白は免疫組織化学的にはALλ型と確認された.本症例は術前および術後の検索で他臓器にアミロイドの沈着を思わせる所見は認められず,また基礎疾患も認めない事より単発性の原発性結節性肺アミロイドーシスと診断した.
索引用語:Primary nodular pulmonary amyloidosis, Lung tumor, CT, MRI, Thoracoscopic surgery

受付日:1999年3月10日
受理日:1999年7月16日

肺癌 39 (6):857─862,1999

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