第39巻第6号目次 | Japanese/English |
─ 症例 ─
肺癌放射線化学療法中に葉気管支穿孔をきたした膿胸症例に対しステント留置が有効であった1例
南 裕也, 坪田 紀明, 宮本 良文, 吉村 雅裕, 大林 加代子, 高田 佳木兵庫県立成人病センター呼吸器グループ
右上葉進行肺癌患者に対し,放射線化学療法を行ったところ,葉気管支が穿孔し膿胸となった.直ちに開窓術を施行し症状は一旦改善したが,穿孔部が拡大し,膿の対側肺への流れ込みによる発熱と咳嗽が出現した.開窓術のみでは対処できないと判断し,covered expandable metallic stent(以下EMSとする)を気管から左主幹にかけて留置した.翌日migrationが生じたのでbare EMSをcovered EMSの中に留置しstent-in-stentとしたところ,ステントの位置はよく保たれ症状も軽快した.本患者のPSは腫瘍死するまでの間,比較的良好であった.
索引用語:Lung cancer, Bronchial fistula, Stent, Covered expandable metallic stent, Stent-in-stent
受付日:1999年6月17日
受理日:1999年7月23日
肺癌 39 (6):877─880,1999